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科学コミュニケーションは愛ですよ!

 寝不足と疲れからか、今日一日「もわーーん」と生きてるSalsaです。やっぱ、年かしらん。

 富山のサマーセミナーの4日目の夜のこと、作業部屋で徹夜モードに突入していたとき、何かをきっかけにサマーセミナー校長のH先生が、

 「科学コミュニケーションは愛ですよ!」って言ったんです。

 「うわっ、なんてくさいこと言うんだ!」と、その時はちょっと(かなり)引きました。H先生も寝不足で変なテンションになっていたのかもしれません。でも、その後、このことばがにわかに効きました。

 今回のセミナーで印象深かったことをひとつ紹介します。

 参加者のほとんどの方々は自分のつくりたい作品のテーマが決まっており、その素材を持ち込んでいました。ですが、事情があって、例えば私のように出かけるギリギリまでシゴトしていて準備できなかったとかで素材とテーマを持ち込めなかった人のために、H先生は二つのテーマを用意してくれていました。

 一つは社会性昆虫を研究されているM研究室のビデオ作成と、もう一つが「あそあそ自然学校」のボランティア募集ビデオ作成でした。

 虫がちょっと苦手という理由だけで後者に入った私です。そんなわけで「あそあそ自然学校」の情報も思い入れもないところからのスタートでした。

 実際に動き出したのはセミナー2日目の午前中。グループとなった5人でコンセプトをマインドマップ式に書き出し、インタビュー項目を選び、午後には山奥へ取材へ行くというスピードで制作がはじまりました。素材を持ち込んでいる人から見れば2日は遅れていますから焦ってもいました。

 ここでひとつ大失敗したのはカメラ2台の撮影設定が4:3と16:9とバラバラで撮ってしまったこと。これはあとでどうすることもできず、たいへん悔やまれる結果となりましたが、とてもよい教訓ともなりました。たぶん二度とこの失敗をしないでしょうね。

 山を上がったり下ったり、くたくたになってビデオを取材するうちに、「こんなに苦労したのだからいいものがつくりたい」と思うようになりました。

 取材から富山大学にもどったのが18時過ぎ。もう宿泊先にもどらなければならない時間だったので、取材テープ4本を持ち帰り、部屋でひとり夜中の3時までかけて、どこに何が映っているかタイムコードを書き出しました。これをやっておけば、翌日の朝から幾分スムーズに編集作業がはじめられると思ったからです。

 翌日は、朝から編集の方針を決め、早速作業開始。まずはビデオデータ(テープ)をパソコンへリアルタイムで取り込み、並行で使用したいところの抜き出し作業をしました。

 ここでも失敗その2。
 2台のパソコン、それに外付けHD、メモリースティックも3本が入り乱れ、後々データがひとつのところにまとまっていなかったために、予備日で再編集しようとした時にデータが揃っていなくてかなり作業をさかのぼって作成しなおしました。

 メモリースティックは個人のものだったので、お持ち帰りになっていて、タイトル画面や自然学校の代表の方のインタビューなどは一から作り直すというはめになりました。これもよい教訓。データは編集しているときリンクされていても、一時的だということです。とにかくデータや素材は一箇所にまとめておくことを忘れてはいけません。


 この日の午後はコンテンツについてのレクチャーがあったのですが、N波さんのレクチャーを聞いて「今のあそあその編集方針では起承転結の起が弱いな」と思い、ナレーションと、あそあそ自然学校の基礎情報がわかる導入部分を検討しました。良くしようという「欲」が出始めたのです。

 そのころです、私のスウィッチが入ったのは。カチンと音がした感じが今でも思い出せます。それまでは「いいもの作ろう」とう自分中心の思いから、「あそあそのみなさんに喜んでもらえるものをつくりたい」というスウィッチが入ったんです。それから猛烈に頭と手が動き出しました。

 このスウィッチ、たぶん、、、愛です。あーーーはずかしい!!

 ビデオ編集で一番たいへんだったことは何ですか?って、打ち上げの時に聞かれたのですが、「まったく思い入れのないところから、どうやる気になるかでした」と答えました。

 私にとって、このやる気というかスウィッチが見つからないと、なんとなくお茶を濁して、心残りして終わっていただろうと想像します。スウィッチが入ったことで、後悔しない精一杯の取り組みができたように思うのです。

 私が科学技術コミュニケーションをシゴトにしようとした時から、この宿命ははじまっていました。実際の依頼はそれまで見も知らない人からだったり、聞いたこともない研究の紹介だったり、まるで関わりのなかった思い入れの無かったところからスタートします。

 自分のモチベーションを上げるためにも、積極的に研究者の方に会いにいったり、研究周辺を勉強してみたり、メールでやり取りしたり、私が「その気(かなりの本気)」になるまでアプローチして相手の方に関わろうとします。私が人と関わりを持つことにねちっこいのはこのせいです。そうやって、他人のために本気で頑張れるコンディションに自分を持っていくんです。

 そうやって「この先生の喜ぶ顔が見たい」とか、「これをきっかけに科学に興味を持ってくれる人がいるかもしれない」とか、「参加した子ども達が喜ぶ顔が見たい」と思えるようになり、気持ちを込められたシゴトは、結果、人に思いが伝わるものになっているのではないかと思っています。

 これには想像力が必要で、クライアント側も受け手側も含め、できるだけ大勢の幸せな顔を想像することができれば、私のスウィッチが入りパワーが出始めるのです。

 そうじゃないと、なかなかもたもたとやっていて、できばえがなんとも納得いかなかったりするのです。

 「科学コミュニケーションは愛です」
 はい、その通り。もちろん、何でも愛が必要だけど、コミュニケーションという以上、関わるあらゆる人のことに興味を持つことまず大切なんじゃないですかね。少なくとも実践的コミュニケーションでは!(時として、クライアントにとっては思い入れがないプロジェクトであっても、私は一生懸命やっちゃう片思いもあったりなかったり。。)

 メンタルだけでなく、思いを可能にするだけの技術とセンスと情報を持つことの努力も忘れちゃいけませんよね。また、メンタルに左右され易いでも困りますから、いつ何時でもベストコンディションに持っていけるようにまだまだ精神的に鍛える必要があります。そういう意味でも今回ずいぶん自信がついたように思います。

 ビデオ編集の話にもどりますが、
 とても短い時間にも関わらず、取材先と制作側の人たちのプラス(ハッピー)になる情景を浮かべられたことが、今回のセミナーでトライできたことの一つだと思っています。

 私にとっての4日間は、作品を作るというストーリーと、「自分のやる気を短時間に引き出す」というサブプロットがあったサマーセミナーだったわけです。これからシゴトとして実践として科学技術コミュニケーションしていくのにとても大切なことを感じた次第です。

 H先生、どうもありがとうございました。(って、H先生、きっと読んでないけど)
 富山でも愛すべき方々に出会えてとてもうれしかったです。

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コメント

>H先生、きっと読んでないけど

読んでないでしょうね.残念ながらサイコムのメルマガさえも読んでないから.既報なのに,メルマガに載せて!という依頼はこれまでにもざらにありました...

無理やり読んでいただきました。

お疲れ。
私も日常復帰中です。
校長の「愛」発言。だから、私は、彼が大好きなんです。
いっぱい、いろんなことが共有できたセミナーでしたね。愛は分かち合うことだから。

Nambaさんもお疲れ様でした。興奮(?!)の日々でしたね・笑。修学旅行&強化合宿って感じでした。
もうおとなになったいいもんが、ホテルではなく、相部屋で、大浴場で、食堂で寝食を共にするというのもめずらしい企画でしたね。その上、ネットがない、門限ありですよ。そうめったに体験できないシチュエーションでした。とどめはH先生宅での合宿です。楽しかった。
期間中のNambaさんのレクチャーが私にとってはいいきっかけでした。さすがです!そこにH先生の「愛」発言。すごい連携ですねぇ。トス&アタックで、私がレシーブしちゃったわけです。ぜひ、札幌での発表会楽しくやりたいですねぇ。

Salsaさま、Nambaさま

皆でお泊り、修学旅行みたいでホントに楽しかったですね。
この余韻が消えないうちに札幌での発表会、ぜひ開催しましょう!

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