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渋谷爆発のつづき

 昨日の温泉施設の爆発をウォッチングしていると、メタンガスの検知装置がもともとついてなかったようですね。
 あと、しくみとしては下記の記事が参考になりました。

 毎日新聞より

  東京都渋谷区松濤1の女性専用温泉施設「シエスパ」に付属する温泉くみ上げ施設で19日に起きた爆発事故について、産業技術総合研究所・爆発安全コア研究グループの緒方雄二グループリーダーは「湯から分離したメタンガスが建物内にたまり、着火したのではないか。炭鉱などではライターの使用を禁止し、電気スパークなどが起きない防爆構造の機械が使われているが、今回は建物内に着火するようなものがあった可能性が高い」と指摘する。
 千葉県内の天然ガス開発会社の担当者によると、関東地方南部の地下には天然ガスを埋蔵した南関東ガス田が広がっているという。ここで採取されるガスは99%がメタンガスで、場所により濃度に違いはあるが、温泉をくみ上げる際にもガスが採取されることになる。
 メタンガスは空気より軽く、特定の濃度でしか引火しないため、室内の換気を良くし、たえず外部へ放散させるなどしていれば引火する危険性は低い。しかし、何らかの原因で室内に滞留した場合、無味無臭のため、ガスに気付くのが遅れ、事故につながる危険性もあるという。04年7月には、同県九十九里町の九十九里いわし博物館で、室内にガスが滞留し2人が死傷する事故が起きている。【宮川裕章、本多健】
 
 この記事を読む限り、メタンガスは特に処理せず、逃がせばいいようですね。それでいいんだという拍子抜けな感じもしますが。
 私が思うにですね、昨日も東京は気温30度の暑さだったわけで、当然締め切って冷房を入れて、中の空気をかき回すばかりで換気がされなかったのではないかと思うわけです。どのくらいの時間をかけるとあの建物に充満するのかはわかりませんが、空気より軽いメタンガスの逃げ道をふさぎ続けた状態だったわけです。

 掘削施設だけであれば、外気に触れる施設でもよかったのでしょうが、従業員の更衣室も兼ねた建物となれば冷暖房を効かせる閉じた空間になってしまったのでしょう。それだけに検知装置は必要だったはず。こうなると危機管理の無さということで人災でしょうね。

 さて、ニュースではじめて知ったのですが、南関東ガス田というのがあるんですね。

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コメント

メタンガスは、温暖化ガスとしては二酸化炭素の20倍も悪玉だそうです。そんなメタンガスを何の法規制もなしに大気中に放出し続けているなんぞ、今や犯罪的です。マスメディアはそういう所にも注目して欲しいとつくづく思います。

フェルストさん、コメントどうも。
メタンガスが常に出ていたのか、それとも瞬間的に吹き上げてきたのかが現時点ではわかっていません。常に出ていたのに大気中に放出していたとしたら、それはあんまりな話です。思うに非日常だったことだっただけに、検知装置もなく、管理者にも認識が無かったと思われます。

確かに事故の直接の原因は不明です。天然ガス分離装置や換気装置の不良が考えられています。Salsaさんの挙げられた「天然ガスが瞬間的かつ大量に吹き上げてきた」ということもなくはないでしょう。

しかし私が問題にしたのは、地下水(温泉水)に含まれる天然ガス(主成分はメタンガス)を分離した後にそのまま大気に放出する(たれ流す)ということが、何の法規制もなく一般的に広く放置されいてよいのかということです。

大気中のCO2濃度の増加による地球温暖化問題が専門家の間で話題になり出した当初から、CO2以上のメタンガスの効果は知られています。

またようやく最近になって地球温暖化が人間社会全体の問題としてマスコミで扱われるようになってからは、堆肥、家畜の糞等から排出されるメタンガスの問題も結構話題にされています。

おそらく、まずはセンセーショナルな事件報道が優先ということなのでしょう。

ついでにコメントしておくと、

マスメデイアの中でこういう視点を提供するのも科学記者、科学ジャーナリストの重要な役割だと思います。

日本では、こういった職種の養成はどうなっているのでしょう。これも科学技術コミュニケーションの範疇ですか?

フィルストさん、コメントありがとうございます。
今朝の新聞に寄れば、どこもメタンガスは分離するだけで、大気中に垂れ流しらしく法規制がないようですね。
おっしゃられるように、それではイカンです!同感です!
家畜から出るガスの再利用についてはこんなのもあります。温泉施設なら(安全処理、温泉、環境)と一石三鳥です。

http://girasole.cocolog-nifty.com/costep/2006/04/post_dd5c.html

http://www.tekipaki.jp/~hbiogas/biogas/index.html

http://www.hokudai.ac.jp/bureau/gakumu/erumu/erumu-no120/genki_2005.htm

本日二つ目のコメントを読む前にお返事出してしまいました。
>>マスメデイアの中でこういう視点を提供するのも科学記者、科学ジャーナリストの重要な役割だと思います。
はい、とても重要です。温泉に限らず、石炭、石油、鉱物など地下深く穴を掘ればメタンガスにぶち当たる可能性はあるわけで、それらはどう処理されているのか、法規制はあるのかと言ったことに目を向ける機会となりました。

>>日本では、こういった職種の養成はどうなっているのでしょう。これも科学技術コミュニケーションの範疇ですか?

もちろん範疇です。サイエンスライター、サイエンスジャーナリスト教育が始まっています。

北大の学生さんによる元気プロジェクトですか。素晴らしいですね。

でもこのバイオガスプラントは、単なる話題性だけでなく現在も継続的に有効利用(実用化・普及)されているのでしょうか?

私は20年近く前、とある萬年発展途上国の農家で、庭先の牛糞タンクで発生させたバイオガスのパイプを台所に引いてガスコンロの燃料にしているのを見ました。貧しさ故の知恵というような説明で、感心したことを思い出しました。

>>でもこのバイオガスプラントは、単なる話題性だけでなく現在も継続的に有効利用(実用化・普及)されているのでしょうか?

2つ目にご紹介したURLの北海道バイオガス研究会のHPを見る限りでは松田先生はじめみなさんがんばっていると思います。北大の足湯でも足をつけながら松田先生の出られたテレビ番組を見せていただきました。もともと、この足湯企画を元気プロジェクトに提案したのが松田先生の研究室の方でした。
普及にはプラントに掛かるコストが問題なのではないでしょうか。

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