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再発見は外からということもある

 外から評価されて初めて気付く「良さ、価値」というのがあります。

 2年ほど前にイタリアの大学生2人が2ヶ月間ほどホームステイに来ていました。目的は日本語の上達と卒業論文の資料探しでした。
 日本語の方は「習うより慣れろ」で、滞在中にめきめきうまくなっていきました。問題は卒業論文の資料探し。ひとりのテーマは「雪舟」、もうひとりのテーマは「南蛮屏風」でした。

 雪舟

 最初、雪舟と聞いて、「涙で鼠の絵を描いた」とか、「達磨に腕を差し出してる絵」ぐらいしか私は思いつきませんでした。(一応、私は日本人です。。。)簡単に言えば、「よく知らなかった・笑」。

 北海道に雪舟の絵はありませんから、もっぱら文献資料やDVDを探しに図書館へ一緒に行きました。私と息子たちの図書カードを合わせて借りれるだけ借りて必要とおぼしきページを片っ端からコピーしました。それだけでもたいへんな作業なのですが、なんと言ってもたいへんだったのは、「読み仮名ふり」でした。

 彼女達は日本語が上手になっても、漢字の読み方はとても難しく、何通りも考えられる読み方ごとに辞書を引いてみているというのです。例えば「花鳥」を「かちょう」と読むのか「はなとり」と読むのか両方辞書を引いてみるそうです。さらに「秋冬山水図」と漢字が連なっている場合も単語の切れ目がわからないので、一文字づつ引いたり、二文字づつ引いたりしているそうです。日本語人にとってすっかり「慣れ」となっていることが、彼女たちの「一苦労」になっているのだと気がついた次第です。

 こんなことですから、一冊本を読むのに途方もない時間が掛かるそうです。日本語→英語ソフトも雪舟の文献を読むにはあまり意味を成さないことは想像できると思います。

 見かねたうちの家族は、コピーした文献の漢字に「読み仮名ふり」をする作業をしました。たいへんありがたがられたのは言うまでもありません。雪舟の文献ともなると、私もお手上げの漢字の並びもあって、そんな時はおじいちゃんにも手伝ってもらったり。。。

 おかげさまで私まで「雪舟」に詳しくなりました(笑) そして、イタリア人に「いかに雪舟がすばらしいか」も教えてもらいました。
 もちろん雪舟の専門家はその価値を知っていますが、大衆にとっての雪舟の価値というのは「国宝である」とか「値段←つけられないですが」で判断されることはあっても、なかなか中身の面白さは伝わってないのかもしれません。

 こんな本を出している原平さんはやっぱり面白いですけどね。

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雪舟応援団

赤瀬川原平 山下裕二 著










 何がいいたいのかと言うと、、、組織の中にあっては一人ひとりのすばらしさはなかなか評価されなかったり、表現されなかったりしていても、外からその価値を言われると、組織の中の人もはたとそのよさに気付くのではないかしらんというお話でして、その組織とは。。。。。まあそのうち。

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